おおさかけんぽう

法律をおおさか弁で知ろう。知らんけど

第10条第十条

1 各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしてると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を持ってるんやで。その締約国は、他のすべての締約国と国際連合安全保障理事会に対して3か月前にその脱退を通知するんや。その通知には、自国の至高の利益を危うくしてると認める異常な事態についても書かなあかんねん。

2 この条約が効力を持って25年後に、条約が無期限に効力を持つか追加の一定期間延長されるかを決定するために、会議を開くんやで。その決定は、締約国の過半数による議決で行うんや。

ワンポイント解説

NPTの中でもめちゃくちゃ重要で、かつ議論を呼んでる条文なんやで。第1項では「脱退する権利」を認めてて、第2項では「条約を無期限に延長するかどうか」を決める規定が書いてあるんや。どっちも条約の存続に関わる大事な話やから、順番に見ていこか。

第1項の脱退権やけどな、これが実際に使われたんは今まで1回だけなんや。それが北朝鮮やね。北朝鮮は2003年1月10日に、「異常な事態が自国の至高の利益を危うくしてる」っていう理由でNPTから脱退すると通告したんや。何が「異常な事態」やったかっていうと、アメリカが北朝鮮を「悪の枢軸」って呼んで敵視してるとか、IAEAの査察が厳しすぎるとか、そういうことを理由にしたんやね。3か月後の2003年4月10日に正式に脱退が成立して、その後北朝鮮は核兵器開発を進めて、2006年に最初の核実験をしたんや。

この北朝鮮の脱退はな、NPTの大きな弱点を露呈したんやで。なんでかっていうと、「異常な事態」とか「至高の利益」っていうのは、結局その国が勝手に判断できるわけやろ。客観的な基準がないから、「脱退したい」って思ったら理由をつけて脱退できてしまうんや。しかも、NPTに加盟してる間に平和利用っていう名目で核技術を蓄積して、脱退してから核兵器を作る、っていう「ぬけ穴」ができてしまうわけやね。これをどう防ぐかっていうのは、今でも国際社会の大きな課題なんや。

ちなみに、北朝鮮以外にも脱退を示唆した国はあるんやで。例えば、イランも一時期NPT脱退をちらつかせたことがあるし、他の国でも「脱退するぞ」っていう脅しに使われることがあるんや。せやけど、実際に脱退を実行したんは北朝鮮だけやね。脱退したら国際的な制裁を受けるリスクがあるから、簡単には脱退でけへんっていう抑止力も働いてるわけや。

次に第2項を見てみよか。この条項では、NPT発効から25年後、つまり1995年に会議を開いて、条約を無期限に延長するか、それとも一定期間だけ延長するかを決める、って書いてあるんやね。実際に1995年に「NPT延長・再検討会議」っていうのが開かれて、そこで激しい議論があったんや。

当時の議論はな、非核兵器国が「核兵器国が核軍縮を全然進めてへんやんか。無期限延長なんて認められへん」って主張したのに対して、核兵器国とその同盟国は「NPTを無期限に続けることが核不拡散に必要や」って主張したんやね。結局、「核兵器国は核軍縮を強化する」「中東非核兵器地帯を作る努力をする」っていう約束と引き換えに、無期限延長が決まったんや。これはコンセンサス(全会一致)で採択されたから、すべての国が合意したっていうことになってるんやけど、実際には非核兵器国の中には不満を持ってる国も多かったんやで。

この1995年の決定でNPTは「恒久条約」になったわけやね。つまり、期限のない条約になったんや。これは核不拡散体制にとっては大きな前進やったんやけど、同時に核兵器国の核軍縮義務もより重くなったっていうことでもあるんや。せやけど、その約束が十分に守られてへんっていう批判が今でも続いてるんやね。

この第十条の2つの規定はな、NPTっていう条約の柔軟性と脆弱性の両面を示してるんやで。脱退権があることで、国の主権は尊重されるけど、同時に核拡散の「ぬけ穴」にもなりうる。無期限延長されたことで条約の永続性は確保されたけど、核軍縮の約束が守られへんかったら非核兵器国の不満が高まる。このバランスをどう取るかが、NPTの将来を左右する大きな課題になってるんやで。

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